MADE IN L.A.

Photography by IAN FLANIGAN

 

L.A.での一貫生産という
品質を完全にコントロールするための環境

メンズジャーナル(以下MJ):シチズンズ・オブ・ヒューマニティーの生産拠点はどこですか?
 
ジェローム・ダーハン(以下ジェローム):私たちはアメリカで数少ないデザインから生産まで一貫して行うデニムカンパニーの一つで、すべてのジーンズがロサンジェルスで作られています。LAのデザインスタジオから10分圏内に縫製工場やウォッシュを行うランドリーの施設があり、品質を完全にコントロールできるので、その環境は重要だと思っています。
 
MJ:一本のジーンズを作るまでにどのぐらいの時間がかかりますか?
 
ジェローム:縫製自体は3〜4時間ですが、ウォッシュの方法により5時間ぐらいかかることもあります。製品はハンドメイドなので、手作業のペースによるところも大きいです。完成するまでに2〜3日かかるものもあります。
 

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プレミアムデニムにとって重要なことのひとつは
本物の価値を追求すること

MJ:生地のクオリティに重きを置いていますが、高品質の生地と廉価な生地の違いはどこにあるのでしょうか?
 
ジェローム:プレミアムデニムにとって重要なことのひとつは、アンティークの美しさや昔のインディゴ染めの服がもつ本物の価値を追求することだと思っています。生地の質や仕上がりは、3つの要素によって決まります。
 
《撚糸》様々な質のコットンを使います。どのように混ぜられ紡がれたかが、撚糸のクオリティに影響します。プレニアムデニムにとって、インディゴ染めの仕上がりを美しくするためには、深く美しいブルーの色を出すのと同じくらいに、素晴らしい擦りやコ ットンの選択、混紡をとても繊細なバランスでデザインする必要があります。そこは厳しい目で確認します。糸を染める方法や、着古して美しく色落ちさせる為に何回染色液に浸せばいいのか、ということだけではないのです。
 
《染色》ナチュラルインディゴで糸を染め、最大限にその良さを引き出すためには化学染料や製造工程で使用される染色器具について熟知した長年のノウハウが必要とされます。
 
《織り》セルヴィッジデニムは、なぜオーセンティックな仕上がりなのか?その答えの一つは織機にあります。旧式のシャトル織機は、最新の高速織機よりもテンションやストレスをかけずに非常にゆっくり織っていきます。研究分野で開発した現代の技術で、この仕上がりに近づける挑戦している工場がいくつもあります。
 
MJ:よく言われる「日本の生地」はどのような意味を持つのでしょうか?またなぜ日本が素晴らしい産地なのでしょう?
 
ジェローム:日本は何世紀にも渡り、インディゴを扱い続けています。着物で使うようなインディゴ染めの反物は、15世紀にはすでに存在していました。ここ25年ぐらいの間で、日本は昔のオリジナルの機械を沢山購入しています。彼らにはノウハウがあり、技術的にも非常に強みを持っている。デニムを研究し心の底から理解しています。セルヴィッジも研究し、40年代、50年代、60年代のデニム全盛期の生地も研究している。そしてそれらの生地を、まるで当時作られたかのように作り始めているのです。
 
MJ:セルヴィジデニムは何が特別なのでしょうか?
 
ジェローム:第二次世界大戦中、アメリカは旧式の織機での製造をストップしました。なぜなら、軍のための生地を早急に作らなければならなかったからです。旧式力織機は、30〜32インチ幅しか織れませんが、新しい織機はその倍以上は織ります。さらに、旧式は撚糸をきつく織るため、動きが非常に遅い。もし早いスピードできつく織ると、織機が壊れてしまうのです。旧式は短い織物しかできないだけではなく、いま製造される織物の半分の量しかできない。現代の織機より75%遅いのです。
  

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幾つも工程を経て、店頭に並ぶ準備が整うのです

MJ:ジーンズ一本を作るのにどのぐらいの人が必要なのでしょうか?
 
ジェローム:30〜40人ぐらいでしょうか。パンツやジャケットを作るのにパターンやデザインの段階を含めると40人の手がかかります。縫製工場だけでも裁断を含め15〜20の工程があり、その後ランドリー、仕上げを経て、店頭に並ぶ準備が整うのです。
 
MJ:シチズンズ・オブ・ヒューマニティーの定番のメンズデニムとプレミアムヴィンテージデニムを作る上での違いは?
 
ジェローム:プレミアムヴィンテージのラインは、2、3の工程が製品を決定づけます。生地は日本製もしくはアメリカのコーンミルズ製セルヴィッジデニムか、同様の幅広いものを使います。コーンミルズ製は、ホワイトオークにある設備で最初に作られたセルヴィッジの一つです。‘プレミアムヴィンテージ’はデニムにこだわりを持つヴィンテージ好きの方に向けたコレクションで、ヴィンテージ風のウォッシュを再現しつつ、オーセンティックなデニムジャケットやスリムデニムの新しい解釈を提案しています。
 
MJ: ジーンズに使用されている、ストレッチやスパンデックス素材についても説明していただけますか?
 
ジェローム:私たちはライクラ®ファイバーを使っています。ライクラ®ファイバーは撚ったコットンの中に織られているものです。コットン混紡なので、デニムに程よい回復力を与えます。最近は様々な種類のライクラ®ファイバーがありますが、私たちは98%コットン/2%ライクラ®ファイバーという配合の生地を使っています。着心地の良さを大事にしながらも理想とする見た目は失わないようにしています。
 

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環境への配慮 社会への還元 
私たちのデニム製造の変革は続きます

MJ:デニム製造にあたり、化学物質や水を大量に使いますか? また、どのように環境への負荷を減らすように努力しているのでしょうか?
 
ジェローム:デニム製造に使用される大量の水を減らす方法をずっと探し続けています。私たちのブランドは製造工程に関わる全てにおいて、環境に優しく社会へ還元する方法へと変革しています。その解決法を見つけるため、多くの時間を費やしています。
実際、空気を使いオゾンガスを再生させ、生地にヴィンテージの風合いを与えるテクノロジーに投資しています。それは水やエネルギーの使用量が少なく、ブリーチのような工程を削除できます。その技術は、時間やエネルギー、化学物質、水の使用を減らして製造し、汚染も減らすことができます。
さらに新しいランドリーと染色機で使う水の量を削減しています。このマシーンは、水や化学物質、ヒートエネルギーを70%削減しながら、積載量を1.5倍に増やします。
 
また、私たちのレーザー技術もエコフレンドリーな製造を可能にしています。レーザーはウォッシュ回数を少なくし、かわりに熱を加えて擦りやリジッドデニムにダメージを与え、様々な加工を施すことができます。完璧ではありませんが、テクノロジーは、私たちのデニムの品質を損うことや美学を失うことなく、環境汚染を削減することが出来ます。
 

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JEROME DAHAN /ジェローム・ダーハン

アメリカのデニム業界で25年以上のキャリアを持ち、プレミアムデニムブームの火付け役である大御所。数々のデニムブランドでのキャリアを生かし、2003年CITIZENS of HUMANITYをスタートさせる。卓越した職人技によるフィット感、ウオッシュ加工など、こだわり抜いたデニム作りを信条とし、常にデニムの可能性に挑み続けている。
 

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Jerome Dahan

CITIZENS of HUMANITY WOMEN'S

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