鶏の胸肉は他の肉に比べて、比較的安くて家計にうれしい食材です。
高たんぱく、低脂質なので、ダイエット中の方や、トレーニングに励んでいる方、食べ盛りのお子様がいるご家庭にぴったりです。
最近は「サラダチキン」がブームになり、鶏肉を買って手作りする方も増えてきています。
茹でるだけと思いきや、売られている鶏肉は厚みがあるため、中までしっかりと、しかもパサつきなく茹でるのにはコツがいります。
鶏肉は、
- どれくらい茹でればいいの?
- 中まで火が通っているか、どうやって調べるの?
そんな疑問にお答えします。
安全においしく調理する方法を一度覚えてしまえば、鶏肉を茹でるときに失敗はないでしょう。
しっかり基礎を抑えて、おいしい茹で鶏を作りましょう。
鶏肉の火の通り時間はどのくらい?冷凍や生での違い
鶏の胸肉を上手に茹でるポイントは、下処理と加熱の仕方にあります。
鶏の下処理
下処理の段階で、肉を柔らかくする効果のある砂糖を使います。
砂糖には保水力があり、たんぱく質との相性もよく、火を通したときに肉をやわらかく保つ性質があります。
下処理の段階で、鶏肉に砂糖を少し揉みこんでおくとよいでしょう。
鶏の加熱の仕方
鶏の加熱の仕方の手順を紹介します。
➀鶏肉が入る大きめの鍋に、鶏肉全体がかぶる量の水を入れて、しっかりと沸騰させます。
水の状態から鶏肉を入れて茹でてしまうと固くなってしまうので、慌てず沸騰するのを待ちましょう。
②沸騰したお湯に鶏肉を入れたら、茹で時間は1分から3分。
鶏肉の大きさによって異なりますが、表面が白っぽくなってきたら火を止めます。
③後は蓋をして、1時間程度放置します。
火加減で大切なことは、ずっと火を通さないことです。
たんぱく質は70度以上で加熱すると固まる性質があります。
そのため、沸騰した100度のお湯だと鶏肉がキュッと縮んで固い仕上がりになってしまいます。
火を止めたお湯は、いわば心地よいお風呂の状態。
「ぬるま湯でじっくりと温まる」。
鶏肉もそんなイメージで調理します。
火を止めたお湯の中でゆっくりと火を通すと、噛みごこちがよい柔らかさに仕上がります。
また、冷凍保存しておいた鶏肉を使うときには注意が必要です。
凍ったまま熱湯に入れて茹でると、表面は白っぽくなりますが、火を止めてじっくり加熱しても、中まで火がしっかりと入りません。
生の鶏肉と同じ時間で加熱しても、失敗のもとになりますので、調理する前に必ず解凍しましょう。
鶏胸肉を茹でたら中がピンク?!NGの見分け方とは?
時間をかけてしっかり火を通したつもりでも、切ってみたらピンク色だったということはありませんか?
食べても大丈夫なら食べたいし、もしものことがあったら大変と、判断に迷ってしまいます。
どのような状態なら安全か、目安をお伝えします。
鶏肉のたんぱく質は60度から固まりはじめ、80度以上で凝固します。
火を止めたお湯で時間をかけて加熱すると、外側から内側に向かってだんだん白くなっていきます。
最終的には中心の赤い生肉がピンク色になり、白くなることで完全に火が通った状態になります。
鶏肉を切ってみて、中心部がピンク色なら火がしっかりと通っていない証拠です。
カンピロバクターやサルモネラ菌など、食中毒を引き起こす菌が死滅していない可能性があるため、食べるのは控えましょう。
腹痛や下痢、発熱、嘔吐などの症状が現れることがあります。
鶏肉の中心部は白いのに、所々がうっすらとピンク色をしている状態は、判断に一番困るケースです。
鶏肉は、しっかり火を通しても薄くピンク色に残ることがあります。
中心部がしっかりと白くなっているかを見極める必要がありますが、白くなっていたら大丈夫です。
また、赤い筋が残る場合もあります。
これは変色しにくい骨髄液が原因と考えられます。
骨髄液はコラーゲンやうまみがたくさん含まれた部分。
赤い筋が残っていても、鶏肉のうまみの元ですので食べても大丈夫です。
表面が白っぽくなっていても安心せず、必ず切って中の状態を確認しましょう。
鶏肉に火が通る確認方法は?簡単にできるコツ
火を切った鍋の中でゆっくりと加熱を待つ鶏肉。
一定の時間が過ぎたら、完成したのかが気になりますね。
切って中身を確認する前に、しっかりと火が通っているのかを簡単に確認できる方法をご紹介します。
しっかりと火が通っているのかを簡単に確認できる方法
しっかりと火が通っているのかを簡単に確認できる方法は竹串を使う方法です。
お風呂よりも少し温かいくらいに感じるなら、火が通っている目安になります。
- 竹串がスッと入らない場合は、中が生のことがあり、もう少し火を通す必要があります。
- 竹串を差したところから出てくる肉汁が赤っぽい色の肉汁なら、まだ火が通っていませんのでもうしばらく鍋の中で火を通しましょう。
鶏肉は60度以上で固まり始めます。
目視や感覚的な確認では不安だという方は、調理用の温度計を使うのがよいでしょう。
温度計を突き刺して60度以上になっていれば、確実に火が通っています。
火が通っているかを確認したのに、切ってみたら生だったという場合は、再加熱の必要があります。
しっとりと茹であがった鶏肉を再び熱湯に入れるとパサついてしまいます。
そんなときはラップで包んでからもう一度茹でると、パサつきにくくなるのでおすすめです。
この場合も、熱湯で数分茹でてから、火を止めたお湯の中で火を通します。
再加熱に時間をかけたくないという方は、鶏肉を薄切りにして、焼いていただくのもいいでしょう。
いずれにせよ、白くなるまでしっかりと火を通し、ピンク色の部分をなくすことが必要です。
まとめ
鶏の胸肉の茹で方のポイントはいかがでしたか?
下ごしらえをしっかりとして、茹でる時間に注意すれば、難しい料理ではありません。
茹で鶏のいいところは、作り置きが効くところです。
一度に多めに鶏の胸肉を茹でておけば、サラダチキンとしてそのまま食べたり、サラダに加えしたり、料理に入れたりと応用が効き、時短料理の強い味方になってくれます。
鶏の胸肉は特売で安く売られることが多いので、そんなときにまとめて作っておきたい一品です。
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